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8月になると、目にするのが「お盆休み」のお知らせ。「お盆」説明できますか?
なんとな〜く「精霊馬作って、お墓参りして・・・」ということは知っていても、いざ お子様にちゃんと説明しようとすると難しですよね。
ちょうどお盆に入る時期、前回の「盆踊り」から続いて今回は「お盆」について書いてみます。
「お盆」って、8月のいつ?
「新盆」「旧盆」「月遅れ盆」聞いたことありますか?
報道などでは8月に入ると「お盆」という言葉をよく使いますが、「お盆」も地域によって時期が異なるのです。
「新盆」と言われる7月13日から16日に行う地域(主に関東圏や北海道の一部)
「旧盆」や「月遅れ盆」は、8月13日から15日もしくは16日 今はこちらが一般的に「お盆」と呼ばれる時期です。
同じ「旧盆」でも、沖縄・鹿児島奄美地方などは旧暦の暦に従ってお盆を行うので、その年によって日程が変わってきます。
![お盆 お墓参り 鬼灯](https://ouchi.ize-style.net/wp-root/wp-content/uploads/2023/08/お盆2-1024x685.jpeg)
元々「お盆」は旧暦の7月15日に行われていたようです。この時期になると農作業もひと段落をする時期に、こういった行事を行なっていたのですね。 しかし、明治になって太陽暦が導入されると、暦に約1ヶ月のずれが出てきます。 新暦の7月15日は農作業もまだ忙しい時期、お盆の準備に手が回らないこともあったのでしょう。 お盆を1ヶ月後ろ倒しにすることで、旧暦とほぼ同じ時期にしたようです。
関東圏は明治政府のお膝元ということもあり、比較的柔軟に新暦に対応ができたので、新盆が定着したと言われています。
お盆の由来は?
日本で最初に最初にお盆の行事が行われたのは、聖徳太子の時代616年頃と言われています。
657年には、「盂蘭盆会を設く」と「盂蘭盆会」という言葉がつかわれ、
659年には、京都の色々なお寺で『盂蘭盆経』の講釈があったと記されています。
こうしてお盆は宮中の恒例行事になり、平安時代になると公家にも広まります。鎌倉時代になると、滅亡した平家をお盆に弔うようになり、室町時代では、軒先に盆灯籠を立てることが庶民に普及しました。 「迎え火」と「送り火」は、江戸時代に行われるようになったようです。
「盂蘭盆会(うらぼんえ)」 お盆の正式名称で、中国の仏事の名前です。
お釈迦様の弟子、「目連尊者(もくれんそんじゃ)」。
目連尊者の母親は、我が子を愛するあまり、周りの人を助けることをしなかったため、あの世で餓鬼道(がきどう)に落ちてしまいました。
餓鬼道に落ちた母親は逆さに吊されます。 食べ物も飲み物でさえ、全て火に変わってしまう餓鬼道のなかで、常に飢えや渇きにより苦しんでいました。
神通力であの世で苦しんでいるる母の姿を見た目連尊者。
生前の優しい母親を想い、目連尊者は「苦しんでいる母親を、どうにかして助けたい!」とお釈迦さまに相談します。そこでお釈迦様はこう答えました。
「夏の修行を終えた7月15日、僧侶を招き御供物を捧げ供養しなさい。」
目連尊者が実際にそのように供養したところ、母親は極楽往生を遂げたのです。
苦しみを受けている人々に対して、この世にいる私たちが供養することで、亡くなった方々の苦しみを和らげたいという願いを込めて行う「盂蘭盆会」
ここから「7月15日」にご先祖供養をすることが始まったのですね。
日本独自のお盆の形
お盆というと、『仏教行事』と思われる方が多いと思います。
とすると、日本人は仏教が入ってくるまで先祖供養をしてこなかったのでしょうか?
もちろんそんなことはありません。
日本は『八百万の神』の国。
『今の自分があるのはご先祖様のおかげ』と感謝する先祖崇拝の習慣があり、
お墓も個人単位ではなく家の墓として代々守っていくという考え方がありました。
仏教の「盂蘭盆会」に込められている想いと、日本人が元来持っている神道の教え、
ご先祖様の御霊(みたま)をお祀りする『祖霊祭祀』の精神が合わさったのが
日本の「お盆」です。
![お盆 お墓参り 精霊馬 盆棚](https://ouchi.ize-style.net/wp-root/wp-content/uploads/2023/08/お盆3-1-1024x683.jpeg)
ご先祖様を敬う心は、「御霊」となっても変わりません。
お迎えする準備として、「盆棚」や「精霊棚」を作ったり、精霊馬・精霊牛を飾ります。
「御霊」がこの世に帰ってくる13日の夕方には「迎え火」を焚き、ご先祖様が迷わないようにします。
お盆の期間は、「霊供膳」といって、朝昼晩と3食、家族と同じ食事をお供えします。
15日や16日には「送り火」や「精霊流し」で、ご先祖様の霊をお送りするのです。
あなたのご先祖様は何人いますか?
自分には、何人のご先祖様がいらっしゃるか数えたことがありますか?
私はありませんでした。 今回、このコラムを書くにあたって初めて計算してみました。
自分の両親を1世代前として計算すると・・・
1世代前が 両親 2人
2世代前 祖父母 4人
3世代前 曽祖父母 8人
4世代前 高祖父母 16人
5世代前 32人
10世代前 1,024人
20世代前 1,048,576人
30世代前 1,073,741,824人
すごい人数ですよね。
でも、この中の誰か1人が欠けていたら、今の自分は生まれていなかったのです。
そう考えたら、ご先祖様がいてくださったこと、自分の命の源であることに
ただただ感謝ですね。
![お盆 お墓参り 夏](https://ouchi.ize-style.net/wp-root/wp-content/uploads/2023/08/お盆4-1-1024x768.jpg)
お盆に帰省ができない、遠くてお墓参りに行けない。
そんな方もいらっしゃると思います。そんな時は
ご自身が落ち着く場所で心静かに手を合わせてご先祖様に感謝の気持ちを伝えてみてください。