赤ちゃんを授かって、最初にする行事が『安産祈願』。
お母さんのお腹の中で受ける唯一の「儀式」です。
では、その『安産祈願』って何をする日なのでしょう?
安産祈願はいつやるの?
赤ちゃんが安定期に入る5ヶ月目に入った「戌の日」に『安産祈願』を行います。
宮中の「着帯の儀」にあたる「帯祝い」は、「帯掛けの儀」「祝い帯」など、地方によって呼び方が異なりますが、いずれにも「帯」という言葉が入っていますね。
これは、妊婦さんが初めて腹帯を身につける日だからなんです。
赤ちゃんと母体の無事を願う「ご祈祷」をしていただき、「岩田帯」と呼ばれる腹帯を巻くのが、この『安産祈願』なのです。
安産祈願はなんで5ヶ月目の戌の日?
5ヶ月というのは、赤ちゃんの成長が安定する時期なんです。
それまでは、母体も赤ちゃんもまだまだ不安定な状態。
妊娠初期は、流産の可能性も高く、またお母さんの体調も崩れやすいこともあるので、安定期の目安と言われる5ヶ月に行うようになりました。
(7ヶ月目や9ヶ月目の酉の日に巻く地域もあります)
犬は安産で多産 ということで、お産の軽さにあやかっているのですね。 戌の日に腹帯を締めるようになったのは、江戸時代に入ってから・・・。 それまでは、「子の日」に行なわれていたそうです。 ネズミも多産で子孫を増やす力に秀でていたので、その力にあやかっていたようですね。
「安産祈願」をした方がいい理由
1人の人間としての「命」が誕生し、初めて神様のもとにご挨拶に行くのが、「安産祈願」です。
まだ、人としての形はないのですが、紛れもなく「命」はそこにあるのです。
その「命」が無事に生まれてくるように、神様に祈願することで親御さんも祖父母となる方々も安心できますね。
「命」が宿った奇跡に感謝し、出産まで無事に過ごせるよう神様にお願いをする「安産祈願」。
ご祈願することで、妊婦さんだけでなく周りの方々も落ち着いて、生まれくるお子さんに心を寄せることができる時間を過ごせるのです。
「見えない力」に守ってもらうための時間 それが儀式なんですね。